株式会社と有限会社の違いとは?廃止後も残り続ける理由と移行の損得
数多くのメリットを持つ有限会社ですが、「上場を目指す」「事業承継を機にCI(コーポレートアイデンティティ)を一新する」「取締役会設置などガバナンス体制を強化する」といったフェーズに入った場合、株式会社への組織変更が有力な選択肢になります。
移行手続きの具体的な流れ
有限会社から株式会社への変更は、厳密には「有限会社の解散」と「株式会社の設立」を法務局で同時に行う商号変更登記という手続きをとります。
- 株主総会での特別決議:商号変更に伴う定款変更(商号を〇〇株式会社にする、発行可能株式総数の設定、役員任期の設定など)を決議。
- 登記申請書類の作成:有限会社の解散登記申請書および株式会社の設立登記申請書を作成。
- 法務局へ同時申請:管轄法務局へ書類を提出。手続き完了により株式会社としての登記簿が新たに編成されます。
株式会社移行にかかる実費と総額目安
商号変更登記に必要な株式会社移行費用の内訳は以下の通りです。
- 登録免許税(有限会社の解散分):30,000円
- 登録免許税(株式会社の設立分):30,000円(※資本金の額が857万円を超える場合は資本金額×0.7%から3万円を引いた額が加算)
- 司法書士への代行報酬:50,000円〜100,000円程度
- 社印(代表者印・銀行印など)の再作成費用:10,000円〜30,000円程度
自身ですべて書類作成を行えば法定実費の60,000円のみで移行可能です。専門家に依頼する場合でも総額15万〜20万円前後が相場となります。ただし、一度株式会社へ変更してしまうと二度と有限会社には戻せないため、将来発生する役員更新コストや公告義務を含めて慎重に判断する必要があります。