銭形平次を創った名優・中村梅之助が遺した昭和演劇の真髄と軌跡

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1977年、NHK (日本放送協会)が放映した大河ドラマ『花神 (NHK大河ドラマ)』は、梅之助の役者人生におけるひとつの頂点として記憶されている。彼が演じたのは、近代日本軍制の創設者・大村益次郎。眉毛を極端に太く描いた独特の風貌、感情を排して理路整然と軍略を説く独特の口調、そして「まことに遺憾である」という口癖は、瞬く間に日本全国で流行語となった。

英雄豪傑をヒロイックに描く時代劇の定石を鮮やかに覆し、合理的で不器用、それでいて国を憂う情熱を秘めた一人の技術者としての益次郎像を創り出した。派手な殺陣や美男子の立ち居振る舞いに頼るのではなく、沈黙の間や歩き方、わずかな視線の揺らぎによって内面を語らせる梅之助の芝居は、テレビドラマにおけるリアリズムの到達点として今も語り継がれている。

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