小泉今日子と母の真実|確執と夜逃げを越え辿り着いた最期の介護
20代、30代とキャリアを重ねるにつれ、二人の関係は徐々に変化を見せ始める。決定的な転機となったのは、母親が高齢となり、介護が必要になった時期だった。かつて強烈な個性で家庭を支配していた母親が、少しずつ小さく、脆くなっていく姿を目の当たりにした小泉は、実家から呼び寄せる形で母の生活を全面的にサポートする決断を下す。
仕事の合間を縫って病院へ付き添い、自宅でのケアを続ける日々。そこにあったのは、アイドルや大女優としてのペルソナを脱ぎ捨てた、ひとりの「娘」としての愚直な素顔だった。関係者によれば、晩年は互いに酒を酌み交わしながら、かつての貧乏暮らしや確執について笑い合える関係になっていたという。最期の時を迎えるまで寄り添い続けた看取りの時間は、幼少期に置き去りにされた母娘の対話を、何十年もの時を経て完結させるための不可欠なプロセスだった。