切手デザイナー玉木明の超絶技巧!極小アートに秘めた制作の裏側
日本郵政グループのなかでも、特殊切手や普通切手の意匠を一手に担う専門職が「切手デザイナー」だ。現在、日本郵便株式会社に所属する専任デザイナーはわずか数名。その精鋭たちのなかでも、長年にわたり筆頭格として業界を牽引してきたのが玉木明氏である。
彼が手掛ける切手の特徴は、伝統的な絵画の手法と現代的なグラフィックデザインが見事に調和している点にある。単なる写真のトリミングやイラストの配置にとどまらない。原画の選定からトリミングの角度、ミリ単位で配置される目打(めうち)の位置、さらには「NIPPON」のタイポグラフィのフォント設計に至るまで、執念とも言えるこだわりが注ぎ込まれている。
切手という極小の支持体は、印刷技術の限界との絶え間ない戦いだ。玉木氏は、紙の質感、インキの重なり、特色印刷の階調を熟知し、原寸大になったときに最も美しく発色するよう逆算してデザインを構築する。この圧倒的な構築美こそが、玉木デザインが他の追随を許さない最大の理由だ。