矢沢永吉の原点・広島の光と影!極貧から這い上がったロックの覇道
矢沢永吉という怪物を形作った根源は、広島県広島市南区仁保での過酷な少年時代にある。原爆の傷跡が生々しく残る時代、父親を原爆症で早くに亡くし、母親も家を去った。引き取られた祖母の手ひとつで育てられた暮らしは、文字通りの極貧だった。
近所からの冷ややかな視線、借金取りの影、腹を空かせて過ごした夜。「いつか絶対にデカい男になって見返してやる」。その怨念にも似た渇望が、自伝『成りあがり』に刻まれた魂の叫びへと直結していく。周囲の同情を拒絶し、己の力のみを頼みに生き抜く覚悟は、この仁保の土埃の中で培われたのだ。