Gackt『ジャーニー スルー ザ ディケイド』解剖と最新配信
この名曲の裏側を語る上で欠かせないのが、数々のライダーソングを創り上げてきた天才作詞家・藤林聖子の存在だ。彼女がペンを執るにあたって課されたテーマは、「時空を超えた旅」と「破壊のあとに訪れる希望」という極めて抽象的かつ壮大な概念だった。
藤林聖子は、作品の世界観を追及する中で「すべての終わりは始まりにすぎない」というパラドックスを歌詞に凝縮させた。「見上げる空の色」や「通過点」といった言葉の端々に、運命に抗いながら並行世界を疾走するヒーローの哀愁と美学が宿っている。GACKT自身もボーカル録音にあたり、単に歌唱するだけでなく、主人公の背負う孤独や決意を声の質感として表現することに極限までこだわった。表現者たちの意志が交錯した瞬間だった。