東洋の魔窟に生きた人々!九龍城砦の元住民が明かす無法地帯の真実
解体の足音が忍び寄る1980年代後半から1990年代初頭、この特異なメガストラクチャーの最期の姿をフィルムに焼き付けた写真家たちがいた。建築の崩壊と変容を捉え続けた写真家・宮本隆司は、迷宮の幾何学的な構造美とその終焉の気配を静謐なモノクロームで克明に記録し、国際的な賛辞を浴びた。
一方、カナダ出身の写真家グレッグ・ジラードは住民たちの生活空間に深く潜り込み、ネオンサインが照らす路地、狭い作業場で魚団子を作る職人、家族団らんの夕餉の風景を鮮烈なカラーで捉えた。彼らの残した歴史ドキュメンタリー的記録写真は、魔窟というおどろおどろしいレッテルを剥ぎ取り、そこに生きた人々の息遣いを雄弁に物語っている。