『となりのトトロ』まっくろくろすけの正体とは?ジブリ作品の裏設定
あの黒い毛玉のような集団の正体は、劇中でカンタのおばあちゃんが語る通り「ススワタリ(煤渡り)」と呼ばれるお化けだ。人が住まなくなった古い家に群がり、家中を煤だらけにしてしまう。だが、家に陽気な人間が住み始めて笑い声が響くようになると、いつの間にか煙のように消え去ってしまう儚い性質を持つ。
和風の民話に出てくる伝統的な妖怪のようにも思えるが、実は宮崎駿監督オリジナルの創作精霊である。古風な日本の暮らしや土着の信仰心からヒントを得て描かれた存在であり、古い民家に宿る空気感そのものを具象化したものと言える。徳間書店が発行した当時の設定資料や関連書籍によれば、彼らは人間に害をなす悪霊ではなく、家を優しく見守りつつ、人の気配に合わせて移動する素朴な精霊として位置づけられている。