傑作ラヴィータが暴く人間の真実!甘い生活の裏に潜む孤独と狂騒
本作のアイコンとして映画史に永遠に刻まれたのが、マルチェロ・マストロヤンニ演じるジャーナリストの姿だ。黒縁メガネにスマートなスーツを着こなし、セレブリティのゴシップを追う彼は、観察者でありながら自らも享楽の毒に侵されていく。マストロヤンニが見せる諦念を帯びた眼差しと、流されるままに生きる男のやるせなさは、戦後ヨーロッパの知性が抱えたアンニュイそのものであった。
そして、夜のトレビの泉で水飛沫を浴びるアニタ・エクバーグの神々しいまでの肉体美。彼女が演じたハリウッド女優シルヴィアは、ただの登場人物を超えて、戦後復興が生み出した消費社会の幻想そのものとして君臨する。マストロヤンニが彼女の美しさに手を伸ばしながらも決して届かないあの伝説的なシークエンスは、人間が追い求める幸福の実体のなさを冷徹に象徴している。