ジブリと今敏を支えた伝説の作画監督・有働比佐子の超絶技巧と全貌
テレビシリーズにおける代表作として挙げられるのが、2000年代を代表するサスペンス大作『DEATH NOTE』だ。有働比佐子はこの作品において、作画監督および原画として参加し、極限の心理戦を視覚化する重責を担った。アクションが主体のバトルアニメとは異なり、密室での会話劇やモノローグが大半を占める本作では、作画のわずかな乱れが作品全体の緊張感を損ないかねない。
夜神月とLの火花を散らす視線、ペンを走らせる手元の陰影、焦燥に駆られる表情の微細な変化。有働が統括したパートは、劇画調の重厚なトーンを保ちながら、アニメーションとしてのダイナミズムを失わない驚異的なクオリティを誇った。作画監督としての彼女の徹底した修正ワークが、シリーズ全体のダークな風格を決定づけたことは論を俟たない。