飛田新地が下した異例の全面休業、夜の街が選んだ決断と再生の全貌

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街全体を統括する「飛田新地料理組合」が全加盟店に対して一斉休業の通達を出したのは、感染拡大の第1波が日本列島を震撼させていた時期だった。一般的な飲食店や夜の街が営業継続か自粛かで紛糾するなか、飛田新地の下した「全面休業」という判断のスピード感は、外部の観察者を大いに驚かせた。

組合内部では当初、激しい議論が交わされていた。「即座に閉めれば、明日を生きられない女性たちや従業員が路頭に迷う」という切実な声と、「もしクラスターが1件でも発生すれば、歴史ある街そのものが社会的な指弾を受け、二度と再開できなくなる」という危機感の衝突である。最終的に組合幹部を突き動かしたのは、大正期から受け継がれてきた強固な自治の論理だった。外圧によって強制的に排除される前に、自らの規律によって街を守り抜く――この冷徹なまでの自己防衛本能が、全店舗の一斉消灯という前代未聞の決断を結実させた。

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