デデデデ結末の真相を徹底考察!映画と原作の違いや門出とおんたんの絆
本作における最大の風刺となっているのが、空を覆い尽くす「侵略者」の正体と彼らを取り巻く人間社会の反応です。物語開始当初、圧倒的な武力で地球を滅ぼしに来たかのように見えた侵略者たちですが、その実態は母星を失い、地球へ命からがら逃れてきた「宇宙の難民」に過ぎませんでした。
言葉も通じず、小型艇で漂着する無力な侵略者に対し、日本政府や軍需企業は最新兵器「A線」の実験台として彼らを虐殺していきます。テレビのワイドショーは母艦を背景に観光気分で中継を続け、SNSではヘイトスピーチと陰謀論が飛び交うなど、浅野いにお氏特有の極めて鋭利なリアリズムで現代社会の醜悪さが描かれました。
侵略者は人間を滅ぼそうとしていたのではなく、追い詰められた末に母艦のエネルギー炉を暴走させ、結果的に地球規模の大災厄(8・32)を引き起こすことになります。善と悪の境界が曖昧なまま、無自覚な悪意と無関心によって自滅していく人類の姿は、単なるSFアクションの枠を超えた深い文明批評として受け止められています。