東京の空を創った「不動産帝国」の光と影——森ビル・森トラストを分かち、都市を変貌させた血脈の真実

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2013年、次男の森稔が79歳で死去した際、市場には動揺が走った。「カリスマ経営者を失った森ビルは、進行中の巨大プロジェクトを完遂できるのか」という懸念である。その重責を担ったのが、初の生抜き社長として就任した辻慎吾だった。

辻社長は、稔が残した「都市を創る」という遺志を継承しつつ、同族経営のカラーから脱却した高度な組織経営へと舵を切った。30年以上の歳月と300人以上の地権者との交渉を経て完成した「麻布台ヒルズ」は、その集大成と言える。2026年の今、同地区は単なる複合施設を超え、グローバル企業のアジア拠点や超富裕層の集積地として機能している。

現在の森ビルでは、創業家が主要株主および文化的シンボルとしての役割を保持しつつ、実務はプロフェッショナルな経営陣が担うという、欧米の歴史的大企業のようなガバナンス形態が確立されている。

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