阿佐ヶ谷七夕まつり巨大ハリボテの熱狂とネットで囁かれる噂の真相
頭上を見上げれば、世相を反映したキャラクターやユニークな造形物がぎっしりと並ぶ。この張りぼて文化が産声を上げたのは1954年のこと。戦後の復興期、客足が落ち込む真夏に人を呼び込もうと商店街青年部が知恵を絞ったのが始まりだ。
「既製品のバルーンじゃ意味がない。汗をかいて作ったものだからこそ、人が立ち止まるんだ」。老舗和菓子店の店主はそう語る。制作期間は数ヶ月に及ぶ。夜な夜なシャッターを下ろした店内で、竹ひごを曲げ、針金を張り、紙を貼る。指先を糊まみれにしながら夜明かしする作業は決して楽ではない。だが、子どもたちがそれを見上げて目を輝かせる瞬間、苦労はすべて吹き飛ぶという。世代交代が進むなか、地元の若手クリエイターや美術学生を巻き込む試みも広がり、デザインの幅は年々進化している。