「親性」とは何か?母性・父性との違いと親としての心理的発達プロセス
親性は生まれつき備わっている固定的な本能ではありません。人生のステージと対人関係のなかで段階的に培われる親性の発達プロセスを持っています。
発達心理学者エリクソンが提唱した心理社会的発達段階論において、成人期の中核課題として位置づけられるのがエリクソンの親性発達の中核をなす「ジェネラティビティ(次世代育成・世代継承性)」です。人間は青年期にアイデンティティ(自己同一性)を確立し、成人初期に対人関係の親密性を獲得したあと、関心の対象を自分自身から「次の世代を導き育てること」へと拡張させていきます。
親としての子どもを迎える過程では、以下のステップを経て親役割の獲得が進みます。
妊娠・受胎期における心理的受容から始まり、出産直後の実感が伴わない時期を経て、日々の授乳、沐浴、夜泣きへの対応といった具体的なケアの積み重ねによって、親としての自己像が少しずつ再構築されます。周囲からの承認やパートナーとの協働が、この移行プロセスを円滑に進める決定打となります。