最期の身体を未来の医療へ託す選択・費用負担と家族同意の真実
終活ブームの過熱に伴い、「献体をすれば葬儀代が一切かからない」という誤解が一部で一人歩きしている。終活・葬祭業界の現場でも、費用削減を主目的に相談へ訪れる高齢者が後を絶たないという。しかし、これは明確な誤りだ。
大学側が負担するのは、遺体を引き取った後の防腐処置、実習後の火葬費用、そして遺骨の返還に関する費用に限られる。通夜や告別式、宗教者への読経料、納骨堂の費用などはすべて自己負担だ。火葬場での立ち会いが制限されることも多く、「きちんとお別れができなかった」と後悔する遺族も少なくない。経済的な損得勘定だけで選択すると、残された家族に思わぬ精神的負担を強いる結果になりかねない。