走れメロス「冒頭の激怒」はなぜ?太宰治が描いた怒りの真相と王の暴虐
激怒したメロスが取った次の行動は、あまりにも短絡的かつ直線的でした。彼は買い物を済ませた後、懐に短剣を忍ばせ、護衛が固める王城へ真っ昼間から単身で乗り込んだのです。
当然ながら即座に警備の衛兵に捕縛され、ディオニス王の前に引き据えられます。王から「その短剣で何を企んでいたのか」と詰問されたメロスは、悪びれることもなく「市を暴君の手から救うのだ」と言い放ちます。王は冷笑を浮かべ、メロスを日没に処刑すると宣告しました。
ここでメロスは、妹の結婚式を挙げるために「3日間だけ処刑を待ってほしい」と異例の嘆願を行います。王は「逃げるに決まっている」と疑いますが、メロスはシラクスで石工をしている無二の親友セリヌンティウスを身代わりに差し出す条件を提示します。もし自分が3日目の日没までに帰らなければ、親友を代わりに処刑して構わないという命懸けの誓約です。
こうしてセリヌンティウスは牢獄へ入れられ、メロスは故郷の村へと全力で走り出すことになります。これが、あの有名な全力疾走劇の幕開けとなるあらすじの全容です。