蒸気ドレンを再利用!熱効率を跳ね上げるフラッシュタンクの真価
フラッシュタンクの内部は、一見するとシンプルな円筒形の構造に見える。しかし、その内部には流体力学に基づいた極めて精緻な気液分離メカニズムが凝縮されている。
高圧ドレン配管からタンク内へ接線方向(サイクロン状)に流体を流入させ、遠心力によって密度の高い熱水(液相)と密度の低い蒸気(気相)を瞬時に分離する。分離された清浄な再蒸発蒸気は上部の吐出口から取り出され、前段の予熱器や低圧熱交換器、空調設備へと送られる。一方、タンク底部に溜まった飽和水はドレン回収システムを経由してボイラー給水タンクへと還流される。
設計においてとりわけ留意すべきは、法規上の分類と安全基準の遵守だ。使用圧力やタンク容量の掛け合わせによって、労働基準法に基づくボイラー構造規格や第2種圧力容器、小型圧力容器の適用区分が厳格に分かれる。強度計算はもちろんのこと、蒸気通過速度を適切に抑えて液滴の飛散を防ぐ内部バッフルプレートの配置など、細部にわたるエンジニアリング設計が全体の熱回収効率を決定づける。