昭和の駄菓子から世界へ!職人が明かす麩菓子の伝統製法と人気の謎
工場の扉を開けると、香ばしく甘い香りが一気に鼻腔をくすぐる。作業場では、熟練の職人たちが生地の膨らみ具合を一心に見つめていた。見た目はいたって素朴だが、その工程は驚くほど繊細だ。主原料となる小麦粉から抽出された小麦グルテンを練り上げ、絶妙な火加減で焼き上げる。外はカリッと香ばしく、中は空気を含んでフワッと溶けるような気泡の構造を作り出すには、その日の気温や湿度に応じたミクロ単位の調整が欠かせない。
さらに味の決め手となるのが、表面にコーティングされる黒砂糖のシロップだ。熱々の蜜を素早く、均一に絡める作業はまさに時間との勝負。蜜が厚すぎれば食感が損なわれ、薄すぎれば独特のコクが出ない。製菓・食品製造業の現場でも機械化が急速に進むなか、麩の芯まで湿気を通さずサクサク感を維持する技術は、長年の経験に裏打ちされた手仕事の賜物だ。