伝説の記者・兼高かおるの足跡と『世界の旅』が遺した不滅の記録

伝説の記者・兼高かおるの足跡と『世界の旅』が遺した不滅の記録の全体像を詳しく解説してご紹介します。

1959年、TBSテレビの前身であるラジオ東京テレビで産声をあげた番組は、のちに『兼高かおる世界の旅』へと改題され、約31年間にわたる伝説的な長寿番組となった。当時のテレビ放送業界において、女性が自ら企画・取材・出演・プロデュースまでを一手に担うスタイルは前例がなく、画期的な試みだった。

この挑戦を長年支え続けたのが、当時の松下電器産業(現・パナソニックホールディングス)の一社提供と、移動の翼を担った日本航空の手厚いバックアップである。企業が文化事業として良質な海外ドキュメンタリーを育て上げるという、極めて稀有で理想的なパートナーシップがそこには存在していた。

日曜の朝、ナレーターの芥川隆行との軽妙で品格ある掛け合いを覚えている読者も多いだろう。スタジオトークと現地のフィルム映像を織り交ぜる構成は、その後の日本の紀行番組のフォーマットを決定づけた。

関連記事