円周率300桁に隠された宇宙の法則とは?暗記法と数学史の裏側
円周率計算の歴史は、人類の執念と技術革新の歴史そのものである。17世紀、ドイツ出身の数学者ルドルフ・ファン・コーレンは、正多角形を用いた古典的な手計算によって小数点以下35桁までを算出した。彼は人生の大部分をこの計算に捧げ、その功績からヨーロッパでは円周率が「ルドルフ数」と呼ばれ、彼の墓石には算出した35桁の数字が刻まれたほどだ。
それから数百年の時を経て、計算の主役はスーパーコンピューティングとクラウド基盤へとシフトした。近年、Google Cloudの技術者である岩尾エマはるか氏らのチームは、巨大な分散クラウドインフラを活用し、桁数の世界記録を幾度も更新した。彼女らの成果はギネス世界記録に認定され、手計算の時代には想像もつかなかった100兆桁規模の計算を実現している。ルドルフが命を懸けた35桁から、クラウドが叩き出す超膨大な桁数まで、数学者の情熱のバトンは確実に受け継がれている。