鬼平犯科帳の聖地「五鉄」の真実と軍鶏鍋に隠された密偵の裏事情
十代目・松本幸四郎が主演を務める新シリーズは、これまでの伝統を受け継ぎつつ、極めて現代的で骨太なアクションと人間ドラマを提示した。劇場版『鬼平犯科帳 血闘』で見せた圧巻の太刀筋と、苦悩を背負う平蔵の陰影は、観客の度肝を抜いた。
祖父・初代松本白鸚、叔父・中村吉右衛門という偉大な先達の背中を追いつつも、幸四郎が体現する長谷川平蔵には独特の色気と凄みがある。五鉄の席で酒を煽る姿には、悪を憎みながらも罪人の情理に寄り添う男の孤独が滲む。血縁と魂の継承が、この物語に揺るぎない厚みを与えている。