英雄・八幡太郎の知られざる真実!源氏最強の武勇伝と武士台頭の謎
八幡太郎伝説を語る上で欠かせないのが、後三年の役で語り継がれる「雁行の乱れ」のエピソードである。行軍中、空を飛ぶ雁の群れが一瞬不自然に隊列を乱したのを見た義家は、即座に「前方の森に伏兵あり」と看破し、奇襲を未然に防いだ。
この鋭敏な観察眼は、学者・大江匡房から伝授された古代中国の兵法を実践に応用したものとされる。勇猛果敢な突撃隊長というパブリックイメージとは裏腹に、義家は冷徹なまでの観察力と知略を兼ね備えた戦略家であった。戦場におけるこの異様な研ぎ澄まされ方こそが、部下たちに「この男に従えば絶対に死なない」という狂信的な信頼を植え付けたのだ。