映画で涙誘うリップルちゃん!ロールパンナとの絆と深すぎる秘密
原作者のやなせたかしが終生訴え続けたテーマは、「本当の正義とは、自らを傷つけながら他者を救うこと」だった。フレーベル館の絵本から出発し、日本テレビ放送網の地上波放送を通じて国民的アイコンへと成長した『それいけ!アンパンマン』。その劇場版制作を担ったトムス・エンタテインメントのスタッフ陣は、やなせの哲学を圧巻の映像美へと昇華させた。
90年代の手描きセルアニメーション全盛期に作られた本作の海の描写は凄まじい。暗雲立ち込める波濤の質感、幽霊船の不気味な木肌、そしてリップルちゃんが放つ浄化の光彩。CGでは決して再現できない有機的な表現力は、日本のアニメーション産業が誇る職人技の結晶であり、映画としての風格を極限まで高めている。