義務と自由の境界線を探る:リーダーの決断力を劇的に変える鍵
経営学の父ピーター・ドラッカーは、マネジメントにおける権能の配置について極めて明快な警鐘を鳴らし続けた。「責任なき権限は専制であり、権限なき責任は奴隷である」。権限移譲を怠りながら結果責任だけを部下に押し付けるマネジメントは、組織を内側から腐敗させる。
この原則は現代のコーポレートガバナンス・法務の根幹を成す。経済産業省が公表する各種統治指針やガイドラインにおいても、取締役会が負うべき監督義務と、現場の執行責任の分離が執拗に議論されてきた。現場にリスクテイクを促すならば、失敗を許容する権限と保護の設計が不可欠だ。精神論で現場を縛る悪習を断ち切らない限り、企業のイノベーションなど絵に描いた餅に過ぎない。