義実家と縁を断つ「死後離婚」の罠 遺産相続や年金はどうなる?
この現象に拍車をかけたのが、現代人の「死生観の変容」だ。過去にNHKスペシャルをはじめとする報道番組が特集を組んだことで、配偶者と同じ墓に入りたくない、あるいは義家の先祖代々の墓の管理負担を背負いたくないと願う人々の本音が浮き彫りになった。
こうした潮流を捉え、終活産業は急速な進化を遂げている。従来の家単位の墓地に代わり、樹木葬や海洋散骨、個人単位で入れる永代供養墓の需要が急増した。「夫と同じ墓に入りたくない」「死後は自然に還りたい」という個人の意思を尊重するサービスが一般化し、墓じまいや改葬の相談件数は年々右肩上がりを続けている。
かつて「家制度の崩壊」と批判された動きは、いまや個人の人生を最後まで自分らしく全うするための前向きな選択肢として捉え直されている。供養の形態が多様化したことで、姻族関係終了届を出すことへの心理的ハードルは劇的に下がった。