異彩放つ書評家・西田藍の現在地|タレントとSf文学批評の交差点
彼女のキャリアの原点を語るうえで欠かせないのが、講談社が主催するオーディションプロジェクト「ミスiD」への参加だ。従来の画一的なアイドル像を解体し、個性や生き様そのものを肯定するこのプラットフォームで、彼女が見せた存在感は異彩を放っていた。
可愛いだけではない。従順でもない。自分の言葉を持ち、自らの足で立つ姿勢は、当時のサブカルチャーシーンに新鮮な風を吹き込んだ。アイドルとしての活動を通じて得た「他者の視線を受け止める力」と「自己を客観視する冷静さ」は、のちの文筆活動における批評的距離感の獲得にも直結している。