野生と飼育下で激変する熊の寿命!知られざる最長記録と冬眠の秘密
日本列島に生息するツキノワグマとヒグマ。この2種が生涯で刻む時間の長さは、野生と飼育下で残酷なまでの隔たりを見せる。
野生のツキノワグマの場合、成獣に達した個体の平均寿命はおよそ15年から20年程度。しかし、生後1年未満の幼獣の死亡率は極めて高く、半数近くが飢餓や捕食によって命を落とす。生き残った強者だけが20年の大台に近づく。一方、北海道の大地に君臨するヒグマは、成獣であれば野生下で20年から25年ほど生きる例が確認されている。だが、30歳を超える野生個体は極めて稀だ。歯のすり減りによって獲物を噛み砕けなくなり、やがて静かに森の土へと還っていく。
これに対し、管理された飼育環境下での記録はまったく異なる様相を呈する。定期的な給餌と高度な獣医療に守られた環境では、ツキノワグマが35歳を超えて生きる例は珍しくない。国内外の動物園では40歳近くまで生きた記録も存在する。ヒグマに至っては、40歳を超えてなお威容を保ち、中には45歳前後の大往生を遂げた個体すら報告されている。野生の過酷さを差し引いたとき、熊という生物が本来持っている生命力の底知れなさがそこにある。