白塗りの狂気と堅実投資術、怪演俳優へと化けたコウメ太夫の真実
奇抜なキャラクターの裏側に、どのようなバックボーンが隠されているのか。本名・赤井貴としての歩みは、決して順風満帆なものではなかった。若き日に名門歌舞伎劇団へ入門し、基礎的な所作や舞踊を叩き込まれた経験は、現在の芸風を支える意外な骨格となっている。伝統芸能の規律と美意識を体に染み込ませながらも、彼が選んだのはお笑いという混沌の世界だった。
挫折と迷走を繰り返す中で所属したのが、ソニー・ミュージックアーティスツの芸人部門「SMA NEET Project」である。バイきんぐやハリウッドザコシショウら、泥臭く個性を磨き続けた猛者たちが集う梁山泊で、彼の表現欲は研ぎ澄まされていった。伝統の様式美をあえて歪め、奇怪なエネルギーへと転換した白塗り芸者スタイル。それは周縁に追いやられた表現者が、生き残りを賭けて生み出した究極の武装だった。