虚構と現実の境界を壊す「メタ発言」の魔力と最新エンタメ論

虚構と現実の境界を壊す「メタ発言」の魔力と最新エンタメ論の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。

映画やアニメ以上に、メタ表現と相思相愛の関係にあるのがゲーム業界だ。プレイヤーが自らコントローラーを握って介入するメディアだからこそ、その前提を逆手に取った仕掛けは底知れない威力を発揮する。

その極致として世界的なカルト的人気を博したのが、インディーゲーム『ドキドキ文芸部』である。一見すると典型的な学園恋愛アドベンチャーの体裁を保ちながら、物語が進むにつれてゲームのプログラムそのものが狂い始める。セーブデータを書き換え、ゲームファイルを直接操作することをプレイヤーに要求する演出は、画面の向こう側の存在が「自分という生身の人間」を認識しているという、かつてない恐怖と戦慄を叩きつけた。

システムそのものを物語の舞台装置へと変貌させるこのアプローチは、ゲームという媒体が持つ表現の可能性を一気に押し広げた。

関連記事