新認定の秘技を独占取材!坂東玉三郎と最新人間国宝の全貌と舞台裏
草木染めの美を極めた志村ふくみが見せる色の世界は、自然界の命そのものを生地に宿らせたかのような深みを持つ。公益社団法人日本工芸会をはじめとする専門家組織も、彼女の紡ぐ紬織(つむぎおり)の先進性と美学を高く評価してきた。植物の灰や葉から引き出される微妙な色合いは、工業製品では決して再現不可能な生命の揺らぎに満ちている。
後継者不足や原材料調達の難航など、現代の伝統工芸品産業は厳しい試練に晒されている。しかし、志村の手から生まれる織物は、手仕事が持つ本質的な価値を現代人に問いかける。自然との対話を通じて色を抽出し、一本の糸に祈りを込める作業。そこには、効率主義に傾倒する時代に対する鮮烈な回答が存在する。