物議を醸した「セル吸収シーン」の演出意図とトラウマ級の裏側
宿敵セルが完全体を目指す過程で描かれた捕食描写は、まさに惨劇そのものだった。人造人間17号が不意を突かれ、尾の管へと引きずり込まれていく一連のシークエンス。そして、続く人造人間18号の吸収劇では、恐怖におののく表情と抗う術を失っていく絶望感が過激な構図で表現された。東映アニメーションのスタジオ内でも、この場面の描画レベルについては当時様々な議論が交わされたという。
怪物のグロテスクな生態を一切の妥協なく描いた映像表現は、テレビ画面越しに観客を凍りつかせた。日曜日の朝のお茶の間に突如として現れたサスペンス的ホラー演出は、従来のバトルアニメというジャンルの既成概念を軽々と踏み越えていたのだ。