道路族マップの光と影|晒される閑静な住宅街と法廷闘争の真実
「自分の家が晒されている。今すぐ消してほしい」。ある日突然、ピンの標的となった住民からの悲鳴が法律事務所へと持ち込まれるケースが後を絶たない。しかし、削除への道筋は極めて険しい。マップ運営側の削除基準は一般に開示されているものの、単に「事実無根だ」「不快だ」と主張するだけでは応じられないケースが大半を占める。
弁護士ドットコムなどの法律相談ポータルでも、この問題をめぐる相談件数は高止まりを続けている。日本弁護士連合会に所属する複数の弁護士に取材すると、投稿内容によっては明確に刑法の侮辱罪や名誉毀損罪、あるいは民法上の不法行為責任が成立する余地があると口を揃える。住所が特定可能な形で個人を攻撃したり、容姿や家庭環境を揶揄する文言が含まれていれば、発信者情報開示請求を経て法廷闘争へと発展するリスクは極めて高い。
投稿者は「公益目的の注意喚起」を掲げるが、法廷において私的な制裁や嫌がらせと判断されれば、数十万円から百万円単位の損害賠償を命じられる現実がある。怒りに任せてキーボードを叩く行為は、自らを法的な窮地へと追い込む危険な賭けにほかならない。