『天気の子』聖地の代々木会館は今?解体の真相と屋上神社の秘密
映画『天気の子』において、物語のすべての起点であり終着点でもあった廃ビル。降りしきる雨の中、陽菜が鳥居をくぐって天気の巫女となった場所であり、終盤に帆高が警察の追手を逃れて必死に屋上へと駆け上がった螺旋階段のビルこそが、かつて代々木駅西口の目の前にそびえ立っていた代々木会館です。
新海誠監督によるロケーション選定の巧みさは、大都会・東京の光と影のコントラストにあります。新宿の超高層ビル群やきらびやかなネオン街のすぐ隣にありながら、異様な存在感を放ち続けた代々木会館のくたびれたコンクリート壁や剥き出しの非常階段は、社会の周縁で懸命にもがく帆高や陽菜の境遇と見事にシンクロしていました。劇中で緻密な美術背景として描かれたことで、単なる背景美術を超え、作品のもうひとつの主役として観客の記憶に強く刻まれることになりました。