藤井聡太を育てた杉本昌隆八段の勝負哲学と知られざる盤上秘話
公益社団法人日本将棋連盟の一員として、普及と後進の育成に力を注ぐ杉本の視野は、常に盤外の広い世界へと向いている。日本の伝統文化・マインドスポーツとしての将棋をいかに次世代へ継承し、世界へ発信していくか。新会館の開設やデジタル技術の融合が進む現在、将棋界は歴史的な転換期を迎えている。
若年層の競技人口拡大や学校教育への導入、さらには海外のマインドスポーツコミュニティとの連携など、課題と可能性は山積みだ。杉本は自身の将棋教室での指導を続けながら、子どもたちに礼儀作法と論理的思考の重要性を説き続ける。単なる勝ち負けにとどまらない人間形成の場として将棋を守り抜くこと。それが、時代を背負う棋士としての彼の矜持である。