スラムダンク伝説のOp曲『君が好きだと叫びたい』制作秘話と現在
1990年代初頭、日本の音楽業界の頂点に君臨していた制作集団「ビーイング」。その中核が生み出すソリッドなロックサウンドと親しみやすいポップセンスの融合は、当時のJ-POPシーンの潮流を劇的に塗り替えていた。本作の作曲を手掛けたのは、数々の名曲を世に送り出してきた名匠・多々納好夫だ。彼が紡ぎ出したストレートでありながら哀愁を帯びたキャッチーな旋律は、緻密に構築されたコード進行によって抜群の爆発力を獲得している。
そこに命を吹き込んだのが、ロックバンドBAADの初代ボーカリストである山田恭二のハスキーで伸びやかな歌声と、彼自身が書き下ろした歌詞だ。青臭いまでの情熱とストレートな恋心を飾らない言葉で吐露したフレーズは、多々納好夫のメロディと完璧な親和性を見せた。スタジオでのレコーディングでは、過度なエフェクトに頼らず、バンド本来のエッジを前面に押し出すビーイング特有のサウンドエンジニアリングが施され、結果として30年以上が経過した今も古さを感じさせない驚異的な音圧と抜けの良さを保ち続けている。