「私には夢がある」演説の裏側と最新機密解禁文書が明かす真実
同じ時代に非道な差別と戦いながら、対極のアプローチをとった存在がマルコムXだった。「あらゆる手段を使って」同胞の権利を守ると主張したマルコムに対し、非暴力直接行動を愚直に貫く姿勢は、時に弱腰であると批判された。北部の都市部で貧困と警察の暴力に苦しむ若い世代にとって、非暴力の教えは即効性に欠けるように映ったからだ。
しかし、二人のアプローチは決して単なる対立にとどまらない。暴力を辞さないマルコムXの存在感があったからこそ、白人体制側は対話の窓口として非暴力派と向き合わざるを得なかった側面もある。晩年、両者は接近の兆しを見せていたが、相次ぐ暗殺によって直接の共同戦線が張られることはなかった。