寺地はるな『架空の犬と嘘をつく猫』ネタバレ結末とタイトルの真相
本作『架空の犬と嘘をつく猫』は、2014年に第4回ポプラ社小説新人賞を受賞し、翌2015年に刊行された寺地はるな氏の記念すべきデビュー小説です。選考委員からその卓越した心理描写と構成力を高く評価され、後にポプラ文庫から文庫本が刊行されると、口コミを中心に幅広い世代へ支持が拡大しました。
寺地作品の真骨頂といえば、市井の人々が抱える「言葉にできない生きづらさ」や「小さな悪意・善意の交錯」をすくい上げる温かな視点です。その原点ともいえる本作には、家族という逃れられない関係性の中で窒息しそうになりながらも、懸命に呼吸を続けようともがく人間たちの生々しい姿が刻み込まれています。