痩せるピルは本当に効くのか?Glp-1処方の実態と副作用を検証
巷で「飲む痩せ薬」として流通している薬剤の中核にあるのが、GLP-1受容体作動薬である。もともとは2型糖尿病の治療薬として開発された成分で、体内で分泌される消化管ホルモン「GLP-1」の働きを模倣する。小腸から分泌されるこのホルモンは、インスリンの分泌を促すだけでなく、脳の視床下部に直接働きかけて満腹中枢を刺激し、胃の蠕動運動を意図的に遅らせる作用を持つ。
これまでGLP-1製剤といえば注射薬が主流であり、GIP/GLP-1受容体作動薬であるマンジャロなどが代表格として知られていた。そこに革命を起こしたのが、デンマークの製薬大手ノボノルディスクが開発した経口薬「リベルサス」だ。有効成分であるセマグルチドを胃粘膜から効率よく吸収させる特殊な技術によって、毎日の服用が可能な錠剤として製品化された。
胃の中に食べ物が長く留まるため、少量食べるだけで満腹感が持続する。さらに脳が「空腹だ」と認識しにくくなる。結果として、本人の強固な意志や我慢に頼ることなく摂取カロリーが劇的に削られる。これが、この薬がもたらす体重減少の生理学的なカラクリである。