手芸工芸の至宝が眠る古書玉椿!なぜ愛好家は絶版書に熱狂するのか
日本の工芸史を語る上で欠かせないのが、柳宗悦を中心に巻き起こった民藝運動の出版物である。名もなき職人の手仕事に「用の美」を見出した思想は、書物の装丁や印刷そのものにも色濃く反映された。
とりわけ人間国宝である芹沢銈介が装丁を手掛けた肉筆型染め本や、手漉き和紙を贅沢に使った限定本は、書物自体が一つの工芸品として完成されている。版画の凹凸、顔料の艶、手触りのざらつき。ページを開くたびに立ち現れる美の原点に触れられる機会は、今や美術館のガラス越し以外では極めて限られている。