実写Casshernはなぜ酷評された?映像革命と脚本崩壊の真実
映画を象徴するもう一つの要素が、宇多田ヒカルによる主題歌「誰かの願いが叶うころ」だ。静謐で切ないメロディは、愛と憎しみが連鎖する作品のテーマと完璧にシンクロしていた。ミュージックビデオを思わせるスタイリッシュなカット割りや色彩設計は、同時代の映像クリエイターたちに絶大な衝撃を与えた。
しかし、PV的なハイテンポと抽象的な詩情で2時間以上の長編映画をドライブさせることには構造的な無理があった。感情移入する間もなく場面が切り替わり、登場人物たちが観念的な言葉を吐き続ける構成は、一般的なアニメ実写化映画に求められる分かりやすさとは正反対のベクトルを向いていたのだ。