世界を震撼させた元ヤクザ幹部・熊谷正敏が語る裏社会とメディア
その映像の中心で圧倒的なカリスマを放っていたのが、当時、主要指定暴力団である稲川会の直参組織、碑文谷一家で幹部を務めていた熊谷正敏だった。彼が他の旧来型ヤクザと決定的に異なっていたのは、そのスマートな身のこなしと、経済活動に対する冷徹なまでの先見性である。
目黒や品川といった都内の一等地を拠点とする碑文谷一家において、彼は単なる武闘派としてではなく、頭脳明晰なリーダーとして頭角を現した。高級スーツを着こなし、IT機器を駆使し、組織の近代化を推し進める姿は、従来の映画産業が描いてきた「仁義なき戦い」の荒くれ者とは別次元の存在感を放っていた。彼が纏う都会的な冷徹さと組織人としての合理性は、裏社会の実態がいかに変化しているかを如実に示していた。