世界が息を呑む日本の美「和傘」驚異の撥水性と職人たちの挑戦
和傘の長い歴史を紐解く上で、元禄3年(1690年)創業という日本最古の歴史を刻む京都の老舗「辻倉」の存在は外せない。300年以上の時を超えて伝統の暖簾を守り続ける辻倉の仕立てる傘は、歌舞伎の舞台や茶道の席はもちろん、現代の高級ホテルや建築空間を彩るインテリアとしても一目置かれている。
一方、日本国内で流通する和傘の生産シェアの大半を担い、その技術の屋台骨となっているのが岐阜県だ。「岐阜和傘振興協同組合」を中心に、骨作りから紙張り、つなぎ、油引きに至るまで、極めて高度な分業システムが現在も脈々と受け継がれている。日本の伝統工芸産業全体が構造変化の波に晒される中でも、地域が一体となって育んできた技のネットワークは、他にはない強靭な佇まいを支えている。