世界遺産最多国はどこ?王者イタリア追う急浮上国と新事実の全貌
年に一度開催される世界遺産委員会の議場は、優雅な文化の祭典という表向きの顔とは裏腹に、激しい外交交渉のるつぼである。21カ国の委員国による投票行動には、地政学的なアライアンスや二国間関係が色濃く反映される。「危機遺産リスト」への掲載を巡る議論では、国の威信低下を恐れる当事国と、保護の緊急性を訴える専門家機関との間で激しい火花が散る。
経済発展と保全の衝突も後を絶たない。近代的な高層ビル建設やダム開発によって登録抹消の危機に瀕する都市もあれば、気候変動によるサンゴ礁の白化で危機に立つ自然遺産もある。遺産を「増やすこと」に熱狂した時代は終わり、いかに「維持し、次世代へ手渡すか」という重い問いが、ユネスコと国際社会に突きつけられている。