シャンプー後もなぜ臭う?皮膚科学が解き明かす頭皮臭の新事実

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頭皮環境を語る上で避けて通れないのが、頭皮マイクロバイオーム、すなわち常在菌叢のバランスだ。健康な頭皮には多種多様な菌が共生し、外部の病原菌から皮膚を守る弱酸性のバリアを形成している。ところが、過度なストレスや食生活の乱れ、あるいは過剰な皮脂分泌が引き金となり、この生態系が破綻することがある。

ここで主犯格となるのがマラセチア菌だ。真菌の一種であるこの微生物は皮脂を大好物とし、トリグリセリドを遊離脂肪酸へと分解する。この分解産物がさらに酸化されることで、特有のチーズのような饐えた臭気を発する。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも指摘されている通り、マラセチア菌の異常増殖は単なる悪臭にとどまらず、赤みやかゆみを伴う脂漏性皮膚炎へと進行するリスクを常に孕んでいる。菌を全滅させるのではなく、バランスを保つことこそが皮膚科学の導き出した至上命題である。

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