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果実を描くという行為の歴史を紐解くと、19世紀のボタニカルアート(植物画)に行き着く。当時は科学的な記録としての精密さが求められたが、その構図や細部への観察眼は現代のアラカルトデザインにも脈々と受け継がれている。19世紀末のアルフォンス・ミュシャをはじめとするアール・ヌーヴォーの巨匠たちは、有機的な植物の曲線を装飾的に昇華させ、グラフィックのアート性を飛躍的に高めた。
日本国内に目を転じると、イチゴというモチーフはサブカルチャー文脈の中でも独特の進化を遂げてきた。2000年代半ばに連載され人気を博したばらスィー氏の漫画作品『苺ましまろ』に見られるように、「イチゴ」という言葉やアイコンは可愛らしさや少女趣味、どこか無邪気な日常の象徴として定着していった。
現在、イラスト投稿プラットフォームのPixivを覗けば、何万点ものクリエイターによる多種多様な表現が溢れている。ポップアート風のデフォルメ表現から、まるで本物と見紛うような超リアルなグリザイユ画法まで、時代や世代を超えて描き手を魅了し続けるモチーフとしての底力がそこにはある。