山口組分裂の最前線だった三代目古川組の真実と消えぬ闇の残滓
2019年11月、夕暮れ時の尼崎市中心街で放たれた自動小銃の乾いた連射音は、全国に底知れぬ衝撃を与えた。標的となったのは、組織のトップであった古川恵一幹部。白昼堂々、飲食店先で銃撃されたこの事件は、六代目山口組と神戸山口組による熾烈な分裂抗争が新たな局面に突入したことを白日の下に晒した。
対立の泥沼化は、かつての強固な結束が脆くも崩れ去った結果だった。三代目古川組は、六代目山口組から神戸山口組へと移籍した経緯から、双方のメンツと利権が交錯する最前線に立たされ続けた。激しい報復の応酬、張り詰めた沈黙、そして突如訪れる銃声。暴力団同士の抗争史においても、市街地で自動小銃が使用されたこの凶行は、もはや従来の「ヤクザの不文律」が完全に崩壊した決定打として記録されている。