【ルポ】再開発に揺れる神戸・三宮駅、「火垂るの墓」の原点が消える?変わりゆく街角で私たちが失うもの
物理的な場所が失われる一方で、新たなテクノロジーを用いた記憶の保存の試みも始まっている。地元の大学生やクリエイターたちが中心となり、1945年当時の三宮駅周辺を3Dデータで再現する「デジタルツイン・プロジェクト」が進行中だ。
VRゴーグルを装着すると、目の前に広がるのは焼け野原となった三宮の街並みと、闇市にひしめく人々、そして駅の柱の影でうずくまる子供たちの姿だ。開発メンバーの一人は言う。「物理的な建物は壊れても、デジタル空間なら当時のスケール感や空気感をそのまま残せる。教科書を読むだけでは伝わらない『恐怖』や『悲しみ』を、若い世代に体感してほしい」。