日本製鉄の巨額買収劇が突入した新局面――U S スチール再建を巡る政治の思惑と「鉄の帝国」の冷徹な現在地
世界全体の鉄鋼生産能力の半数以上を握る中国。内需低迷に伴い、安価な鋼材が東南アジアや中東、南米市場へ大量に流出する構造は今なお解消されていない。高関税の壁で国内市場を守る米国モデルも、グローバル市場での価格競争力低下という反作用をもたらしている。
高級鋼材に特化して高収益を狙う戦略へ舵を切らなければ、安価な汎用品の波に飲み込まれるのは時間の問題だ。北米という世界最大級の消費地に拠点を置きながらも、グローバルな供給網の最適化なしには生き残れない過酷な現実が横たわっている。