熱が出ないのにインフル?隠れサインの見分け方と検査のタイミング
インフルエンザの特徴であった「突然の高熱」がなぜ影を潜めているのか。感染症内科の専門医である忽那賢志教授は、近年のワクチン接種歴や過去の感染によって獲得された交差免疫が、全身の炎症反応を部分的に抑え込んでいる可能性を指摘する。免疫システムがウイルスの暴走を一定程度ブロックすることで、発熱という警報装置が作動しないまま経過してしまう仕組みだ。
同時に、賀来満夫特任教授をはじめとする感染症の権威たちも、ウイルスの抗原変異と宿主側の免疫応答の多様性に注目している。世界保健機関(WHO)が共有するグローバルなサーベイランス情報においても、変異株の性質や個人の免疫状態によって臨床像が大きく乖離する現象が確認されている。高齢者では免疫応答の低下により熱が上がりにくい一方、若年層では強固な基礎免疫が熱を抑え込んでしまい、結果として「無熱感染」が生み出されている実態が浮き彫りとなっている。